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「書くひと」の業

  • 執筆者の写真: EK
    EK
  • 2023年1月1日
  • 読了時間: 1分



2023/01/01





「書き手」という稼業は、いわゆるふつうのほかの職業とは異なり、「気づいたら、

なっていた稼業」であり、「書かずにはいられない人間が営む稼業」だと思う。


なぜひとは書くのか?


私の場合、「書く行為とそれを〈自分の外〉に解き放つ行為を通じて、はじめて、見えてくるものがあるから」だ。

「書き終えて、読み手に渡すことを通じて、はじめて、自分が人生で出逢ったある対象や経験がどういう性質の物事や経験だったのかが、自分でも、じゅうぶんに理解できるようになるし、また、その経験についての自分の考えや感情を整理し、伝えることができるようになるから」なのである。


そういう意味では、「ライター」という稼業は、「アーティスト」という稼業と似ている。

有名か無名か、それで生計が成り立つか否かにかかわりなく、そういう実利的な次元を超えて、「なるべくしてなってしまう稼業」なのである。


「書くひと」にとって、「書くこと」とは、「呼吸すること」にも等しく、「人生を十全に生きて体験すること」を意味すると思う。


だから、書くのである。


雪のかけらがそれぞれに自ずとその結晶を成してしまうように、「書くこと」は、その書き手にとって、「自然の営み」にも等しい、と、私は長年感じている。







 
 
 

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